だらだらと日々のことを呟いています。
たま〜にカカイルカカネタがあったり、なかったり。
その他萌えたことも語ってます。
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怒り鍋
イルカの後ろ姿は怒りに満ちていた。
それを長年連れ添ってきた彼の恋人兼居候であるはたけカカシは、一見静かに見えていても男の背中の物々しさを目に写った瞬間感じた。
任務から帰ってのうのうと我が家(のようなもの)に入ったときには遅く、こうしてそっと廊下の柱から彼を観察するのだった。
正直今回は何が原因なのかさっぱりわからない。
しいて言えば里への帰還が数日遅くなったぐらいだろうか。
しかしこれはよくあることだし、今更そんなことで臍を曲げるような男ではない。
何年か前、イルカはカカシが浮気していると思い込んでいたりと(もちろんそれはない)勝手に墓穴を掘り進めていたりする部分もあるので彼が今どのような心境なのか。
カカシの何倍も気性が激しいため、彼の琴線に何が触れたのかは検討もつかなかった。
イルカはカカシに気づいているのかいないのか、背を向けたままずっと台所で鍋を煮込んでいた。イルカの怒りがわかるものの、その美味そうな香りに、任務明けの身体が反応しないわけはなかった。
ろくなものを食べていなかったので自然腹が鳴る。
もうここはぐっと堪えて、小さな、本当ーに小さな声で、ただいま、とイルカに呼びかけた。
「ん?お、カカシさん、おかえりなさい。」
受付やアカデミーで見るのと変わりない笑顔。
俺も結局これにやられたのだとカカシは過去を振り返る。
ああ、だが、しかし。
この笑顔がとっても怖い。
カカシは力なく笑った。
□□□
目の前に湯気立つ鍋。
今は八月、猛暑まっただ中。
差し出された季節外れの鍋の中身は真っ赤に染まっていた。
うみの家秘伝火鍋である。
「イ、イルカせんせい、今日はまたえらく怒ってますね・・・。」
激辛であるものの美味いことはわかっているので、カカシは汗を流しながらそれを食らう。
覆面はとうに外し、トランクスにランニングシャツのおっさんスタイルだ。
イルカもカカシに負けず劣らず汗を流してそれを啜る。
扇風機をつけているとはいえ、かなり暑い。もはや我慢大会だ。
「俺・・・何かした?」
「いえ、何も。ただのやつあたりですよ。」
「はあ。」
頬袋いっぱいに物を詰め、素っ気なく言い放つイルカにカカシは戸惑い首を傾げた。
「かー、美味いっけど辛えぇー!!!」
「作ったのあなただよ。」
何でこんなもの、とカカシは汗を拭い、ちらりとイルカを見るのだった。
おわり
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